解説:
中禅寺 秋彦 [ちゅうぜんじ あきひこ]
- 中野で『京極堂』という古本屋を営む武蔵清明神社の神主。(通称:京極堂)
古本屋を開業する前は高等学校の講師をしていた。
陰陽師(いわゆる拝み屋)として『憑き物落とし』も副業でやっていて、宗教や習俗、口碑伝承の類いの知識は驚くほど豊富。
恐山で産まれて、七つか八つの頃まで下北半島で暮らしていた。
不健康そうな痩せぎすで、いつも仏頂面をしている。
関口 巽とは旧制高校時代の同級で友人であり、榎木津 礼二郎の1年後輩。
榎木津の、ほぼ唯一の“下僕でない”友人。
- 藤野 牧朗の旧制高校時代の後輩で、久遠寺 梗子を見初めた牧朗に恋文を書くよう進言した人物。
関口 巽の頼みを渋々聞き入れ、久遠寺医院に纏る一連の事件の憑き物落としを執り行う。
- 戦時中に徴兵され、美馬坂近代医学研究所の施設(当時『帝国陸軍第十二特別研究施設』と呼ばれていた)の2階で“宗教的洗脳実験”をやらされていた過去がある。美馬坂 幸四郎とは当時からの旧知の間柄で、幸四郎の家族についてや、美馬坂近代医学研究所が“生命維持”の為の特別な施設である事も知っていた。
関口 巽/鳥口 守彦/榎木津 礼二郎/木場 修太郎がそれぞれ持ち寄った情報から、『柚木 加菜子ホーム転落事件』『相模湖バラバラ死体事件』『柚木 加菜子誘拐事件』『須崎殺害事件』の真相についてはすぐに理解できたものの、『武蔵野連続バラバラ殺人』の犯人だけは最後まで判らなかったが、関口 巽から“久保 竣公が白い手袋をしている”という話を聞いたとたんに久保が『穢れ封じ御筥様』の黒幕および『連続バラバラ殺人』の犯人だと確信、青木 文蔵に対して直ちに楠本 頼子の身柄保護を要請するが一足遅く、頼子は犠牲者となってしまう。そのことへの怒りから、自ら“御筥様”を叩くことを決意、“御筥様”へ赴き教主・寺田 兵衛と事務・二階堂 寿美の化けの皮を剥がして懲らしめた。
いよいよ止まらなくなった木場の暴走を止めるべく、(榎木津には関口・鳥口の他に柚木 陽子を連れてくるよう指示し、自分は増岡 則之・福本と入院中の青木を連れて)美馬坂近代医学研究所へ赴き、“魍魎退治”と称して事件の謎を関係者一同の前に開示する。
- 神主として、久保 竣公の葬式を執り行った。
- 笹原 宋吾郎から古書鑑定の仕事を依頼され、箱根にやって来る。
- 徴兵時の配属先は帝国陸軍第十二研究所で、堂島 静軒大佐の配下で宗教的洗脳実験に携わっていた。
- 二年以上消息を絶っている山形の蔵書家:山浦 匡太郎の行方を調査中に、多々良 勝五郎・沼上 蓮次と初めて出会う。
参照作品:『今昔続百鬼 ― 雲』(古庫裏婆)
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- 出奔した大鷹 篤志の身を心配する楢木から“憑き物落とし”を依頼される。