解説:

榎木津 礼二郎 [えのきづ れいじろう]

  1. 神保町にある『薔薇十字探偵社』の探偵。
    人の記憶が見えるという特殊能力を持ち、探偵のくせにろくな調査もしなければ、椅子に座って推理をすることもない。
    財閥・榎木津グループの御曹子で帝大の法学部を修了している。
    西洋の磁器人形(ビスクドール)のような整った顔立ちをしているが、その眉目秀麗な容姿に相反して、傍若無人・破天荒な性格の持ち主で、けんかも強い。
    元々子供の頃から視力が弱かったが、その後戦争中に照明弾をまともに食らって致命的に視力を失ってしまい、左目はほとんど見えない。(人の記憶が見える能力はこのことが起因していると思われる)
    関口 巽中禅寺 秋彦の旧制高校時代の1年先輩であり、伊佐間 一也今川 雅澄の軍隊時代の上官である。木場 修太郎とは幼馴染み。

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  2. 久遠寺 涼子から、失踪した義弟・久遠寺 牧朗の捜索を依頼され、関口 巽中禅寺 敦子と連れ立って久遠寺医院に調査へ赴き、そこで事件が“失踪”ではなく“殺人”であることを一目瞭然に認識する。

    参照作品:『姑獲鳥の夏』
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  3. 父・榎木津 幹麿に頼まれて柴田 耀弘の依頼を請け負うことになり、(耀弘の遺産相続問題を担当している)弁護士・増岡 則之から、誘拐された相続人・柚木 加菜子の捜索を依頼される。
    加菜子捜索について相談しに中禅寺 秋彦のもとを訪れた際に、鳥口 守彦関口 巽から『武蔵野連続バラバラ殺人』と『穢れ封じ御筥様』の話を聞き、成り行きから(関口 巽と共に)楠本 頼子宅を訪問。帰宅を待つ時間潰しに立ち寄った喫茶店で久保 竣公と偶然出会い、久保の記憶に加菜子を視た榎木津は、「自分でも(加菜子を)探してみる」という久保に、持っていた加菜子の写真の裏に連絡先を書いて渡した。
    再び楠本宅に戻ったところ、家の扉が開かずに困っている頼子と遭遇。頼子との会話中に頼子の記憶に“項のにきび”と久保の姿を視認するが、その時点ではまだ頼子が加菜子をホームから突き落とした犯人であること・久保が連続バラバラ殺人の犯人であることは知らず、頼子が去った後、自殺するつもりで居留守を使っていた楠本 君枝から事情を聞き出し(関口を霊能者にでっち上げたペテンによって)君枝の自殺を思いとどまらせたものの、(結果的に)頼子が久保の犠牲になるのを阻止するまでには至らなかった。
    頼子が犠牲になった知らせを聞いて“御筥様”を叩くことを決意した中禅寺 に荷担し、中禅寺の“御筥様”退治に同行。
    事件が“久保のバラバラ遺体発見”へと進展すると、いよいよ止まらなくなった木場 修太郎の暴走を止めるべく関口・鳥口・柚木 陽子を連れて美馬坂近代医学研究所へと向かい、そこで中禅寺による事件の終結(魍魎退治)に立ち会ったが、その最中に姿を消し、終末を予感した甲田 禄介の首吊り自殺を阻止していた。

    参照作品:『魍魎の匣』
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  4. 関口 巽中禅寺 敦子に『佐田 申義殺害事件』の真相解明を依頼される。

    参照作品:『狂骨の夢』
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  5. 久遠寺 嘉親に『僧侶殺人事件』の捜査を依頼され、箱根にやって来る。

    参照作品:『鉄鼠の檻』
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  6. 杉浦 美江から、失踪した夫(杉浦 隆夫)の捜索を依頼される。

    参照作品:『絡新婦の理』
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  7. 中禅寺 敦子によって、『伊豆・韮山』の騒動に巻き込まれることとなる。

    参照作品:『塗仏の宴』
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  8. 婚礼を控えた由良 昂允から、花嫁を護る事を依頼されるが、赴いた先で急な発熱に見舞われ一時的に盲目となる。

    参照作品:『陰摩羅鬼の瑕』
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