解説:

関口 巽 [せきぐち たつみ]

  1. 鬱病の気がある小説家。
    中禅寺 秋彦とは旧制高校時代の同級で友人であり、榎木津 礼二郎の1年後輩。木場 修太郎の軍隊時代の上官でもある。
    元々僅かばかりの資金援助を得て粘菌などの研究をしていたが、それでは暮らしが成り立たず物書きで生計を立てていた。二年前に身を固めたのをきっかけに粘菌の研究は辞め、現在は物書きに専念している。
    カストリ誌に寄稿する時の筆名は『楚木 逸巳』という。

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  2. 藤野 牧朗の旧制高校時代の後輩。
    学生時代に藤野 牧朗から久遠寺 梗子へ宛てた恋文を託されるが、それを届けに行った先で間違って梗子の姉の久遠寺 涼子に恋文を渡してしまったうえ、多重人格者である涼子の別人格・京子の挑発にのって涼子(京子)を陵辱してしまったという過去がある。
    また、関口のその一連の記憶は、恋文を届ける途中で道を尋ねた見知らぬ男に「癲狂院から逃げてきた狂い」と勘違いされた出来事を消し去りたいという深層心理から、まるごと記憶の闇に封印されており、関口自身が(榎木津 礼二郎の探偵調査に付き合わされて)再び久遠寺医院を訪れるまで忘れ去られていた。
    中禅寺 秋彦に久遠寺医院の“憑き物落とし”を依頼、自らも憑き物落としに同行して事件の顛末を見ることとなる。

    参照作品:『姑獲鳥の夏』
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  3. 鳥口 守彦の『相模湖バラバラ死体事件』取材に付き合わされ相模湖に赴いた帰路、(誘拐予告状により)厳戒態勢中の美馬坂近代医学研究所へ偶然辿り着き、そこで張り込んでいた木場 修太郎に早々に追い返される。(これが一連の事件に首を突っ込む発端となった。)
    後日、中禅寺宅へ赴いた際に鳥口から『武蔵野連続バラバラ殺人犯』=『穢れ封じ御筥様』説を聞かされ、その情報を警察関係者に近い里村 紘市にリークするよう中禅寺から命ぜられる。二日後、再び中禅寺宅を訪れた時に偶然来ていた榎木津 礼二郎から『柚木 加菜子捜索依頼』の詳細を聞き、榎木津の話に出てきた加菜子の友人・楠本 頼子が、“御筥様”の信者名簿に載っていた楠本 君枝の娘であることに気づいた関口は、(半ば成り行きから)榎木津と共に楠本家を訪問、君枝帰宅までの時間潰しに立ち寄った喫茶店で、以前(短編集発行の件で)稀譚舎を訪れた際に知り合った久保 竣公と偶然再会する。
    榎木津と共に楠本宅に戻って頼子や君枝への聞き込みを行った数日後、中禅寺が事件の謎を一同に開示する集まりで、久保が『連続バラバラ殺人』の犯人であること・加菜子をホームから突き落としたのが頼子であることが判明。また、頼子がすでにバラバラの犠牲となってしまった知らせを受け、犯行直前に犯人・被害者の両者に会っていながらみすみす見逃してしまった自分に強く責任を感じる。そして翌朝、中禅寺の“御筥様”退治に同行することになった。
    鳥口から久保のバラバラ遺体発見の知らせを聞き、いよいよ事態を終結させることを決意した中禅寺の指示で(榎木津に)美馬坂研究所へ連れて来られ、中禅寺の“魍魎退治”に同席する。その場に久保が生きたまま匣に入った状態で同席していることを知った関口は「匣の中を見てみたい」という衝動にかられるが、寸での所で中禅寺に制止され彼岸(向こう側の世界)に行かずに済んだ。

    参照作品:『魍魎の匣』
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  4. 宇多川 崇に相談を持ちかけられる。


    参照作品:『狂骨の夢』
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  5. 古書鑑定を依頼された中禅寺 秋彦につき合って、箱根にやって来る。


    参照作品:『鉄鼠の檻』
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  6. 戸人村についての取材中、陰謀により『織作 茜殺害事件』の容疑者となり下田署に留置・尋問される


    参照作品:『塗仏の宴』
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  7. 一時的に盲目となった榎木津 礼二郎の介添を益田 龍一から依頼され、信州に赴き榎木津と行動を共にする。


    参照作品:『陰摩羅鬼の瑕』
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  8. 益田 龍一の調査につき合って、平塚・大磯にやってくる。

    参照作品:『邪魅の雫』
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