解説:
木場 修太郎 [きば しゅうたろう]
- かなり暴走気味の性格を持つ強面の刑事。
大木を思わせる厚い胸板と太い腕を持つ大男で、異様に張り出したえら、短く刈り込んだ針金のように固い髪の毛、ほぼ正方形に近い顔面には尖った鼻と小さい目と口がついているといった異相であるが、その風体からは想像もつかない甲高い声の持ち主である。
小石川の石屋の息子で榎木津 礼二郎の幼馴染み。
また、軍隊時代は関口 巽の部下だった。
以前は池袋署にいたが、東京警視庁本庁に配属される。
- 池袋署時代に久遠寺医院の『赤児失踪事件』を捜査していたが、訴えのあった三件全ての訴えが同時に取り下げられたことにより、怪しいと思いつつも捜査を断念したという経緯を持つ。
関口 巽と共に久遠寺医院を訪れた榎木津 礼二郎から『久遠寺 牧朗失踪事件』の話を聞きつけて再び久遠寺医院の捜査に乗り出し、中禅寺 秋彦によって久遠寺医院の“憑き物落とし”が執り行われる際には(中禅寺の配慮により)久遠寺医院にて不測の事態に備えることなる。
結果、久遠寺 牧朗の死骸は発見され、また中禅寺によって事件の全容は明らかになる。
- 柚木 加菜子の武蔵小金井駅ホーム転落事故現場に列車の乗客として偶然居合わせる。
女優・美波 絹子の大ファン(ブロマイドを手帳に偲ばせているほど)で、加菜子の搬送先病院で駆けつけた柚木 陽子(=美波 絹子)と出会い、成り行きから加菜子の転院先である美馬坂近代医学研究所まで同行。以来、陽子を案じて研究所へ通うようになり、そこで“加菜子誘拐予告状”を発見、神奈川本部に通報して自らも研究所に張り込んでいたにもかかわらず(目の前で)誘拐事件は発生、東京警視庁の命令を無視して単独行動をしていた木場は一ヶ月の謹慎処分を受ける。
謹慎中、陣中見舞いに訪れた青木 文蔵から神奈川本部の誘拐事件捜査状況を入手、さらに『加菜子誘拐』と『武蔵野連続バラバラ殺人』との関連性を疑う青木の話を聞き、再び単独捜査に乗り出すことを決意。聞き込みに行った里村 紘市経由で(関口が書き写した)『穢れ封じ御筥様』の信者リストを偶然に入手、関口を探して中禅寺宅へ出向き、そこで中禅寺から柴田と柚木に関わる一連の情報を聞かされることとなった。
中禅寺からは頼子・加菜子の同級生への聞き込みを要請されるが、謹慎中の身では困難なため福本に依頼。その足で柚木 陽子の家を訪ねて陽子本人への聞き込みを行い、映画に詳しい友人の川島 新造を訪ねて陽子の女優当時の話なども聞いた。(この時点ではもう“陽子の為”ではなく、“俺の事件”という認識で捜査にあたっている。)
青木がもたらした研究所の風評と川島から聞いた美馬坂 幸四郎の噂から、加菜子・頼子・久保を含む全てのバラバラ殺人は「美馬坂が人体実験の為にやった」と勝手に思い込み、謹慎が解けると同時に拳銃を所持して単身研究所へ乗り込み美馬坂に拳銃を突きつけ対峙するが、それを制止しに来た中禅寺の“魍魎退治”によって全ての事件の真相を知らされることとなる。
その場から(美馬坂と共に)逃走しようとする陽子を引き止めようとして陽子にメスで刺されて負傷。負傷しながらも、陽子が(逃走中に美馬坂の首に噛み付いた)久保 竣公を絞め殺したところを追い詰め、心ならずも陽子を“久保 竣公殺害犯”として逮捕する結末を迎える。
- 『双子山集団自殺事件』の自殺者の家に聞き込みに行った。
- 『目潰し魔事件』を捜査。
- 三木 春子に相談を受けて身辺を調査しているうちに、怪し気な陰謀の臭いを嗅ぎ付け、公務を離れて単独暴走をする。
- 『伊豆・韮山』の騒動で職務を逸脱、暴走行為をとった為に麻布署捜査一課の巡査へと、左遷させられる。
- 由良邸の 過去の『花嫁殺人事件』の情報を求める長野本部に、伊庭 銀四郎と人違いされる
- 『澤井 健一殺害事件』について青木 文蔵から相談を受ける。