解説:
久遠寺 牧朗 [くおんじ まきお]
中禅寺 秋彦と関口 巽の旧制高校時代の1級上の先輩で、榎木津 礼二郎とは同級生の医者。
学生時代に久遠寺 梗子を見初め、中禅寺 秋彦の進言で恋文を書きそれを関口 巽に託すが、間違いによってその恋文は梗子の妹・久遠寺 涼子の元へ届く。以降、涼子を梗子と間違えたまま付き合い始めた。(結果、涼子は妊娠して無頭児を出産することとなる。)
梗子(本当は涼子)を孕ませてしまったことに責任を感じた牧朗は久遠寺 嘉親に梗子との結婚を申し出るが、医師免状を持っている事を条件に一度は断られるも、その後ドイツへ留学、帰国後医師免状を取得して晴れて久遠寺医院の婿養子となる。しかし、留学中の事故が原因で性的不能者となっており、その罪滅ぼしから、梗子と結婚後は体外受精の研究に没頭するようになった。
自らの研究が完成した夜に梗子と大喧嘩をして脇腹を刺され、書庫に逃げ込んだところに偶然居合わせた涼子の姿を見て「母様」と言ってしまったことから、その言葉によって発現した涼子の別人格“久遠寺の母”に石で打ち殺されてしまう。
その事実が中禅寺 秋彦によって明らかにされるまでは、突然失踪したのだと思われていた。
旧姓:藤野で、通称:藤牧。