解説:
原澤 伍一 [はらさわ ごいち]
『赤子失踪事件』で久遠寺医院を訴えた三人のうちの一人。
傷痍軍人で、左官が職業である。
戦争中に結婚半年で徴兵され、命からがら復員して来たら女房以外家族全員やられて家もなかった。そんな状況で必死に働きようやく授かった赤ん坊を久遠寺医院で失ったことから久遠寺医院を恨み、カストリ誌に久遠寺医院の醜聞をタレコミ回っていた。
また、久遠寺医院への訴えを取り下げた翌日に姿を消した妻・原澤 小春に対しても「久遠寺医院から金を握らされて子供を売った」と憎んでいる。
久遠寺医院の元看護婦・戸田 澄江と偶然出会い、澄江の話から「自分の子供が死産でなく確かに産まれた」という確証を抱いていた。