解説:

美馬坂 幸四郎 [みまさか こうしろう]

美馬坂近代医学研究所所長で天才外科医。中禅寺 秋彦が徴兵時に配属された陸軍研究所での知り合いでもある。もともとは免疫学者で、研究内容は“人体のパーツを人造物に置き換え、生命を維持させる”ことだった。
筋無力症を煩った妻・絹子からは詰られ、蔑まれていたにも関わらず、妻を愛して献身的に尽くしていた。
絹子の病を治す為、家を出て研究に没頭。別居していた何年かの間に絹子から離婚の調停を求められていたが、(昭和15年に絹子が死ぬ直前まで)執拗に拒否を続けて離婚を承諾しなかった。
また、柚木 加菜子は実の娘・柚木 陽子との間にできた子であり、列車に轢かれて瀕死状態の加菜子を命を救うため、加菜子の体を切断、胸から上以外を機械の臓器に置き換えてしまう。
生きたままの『匣の中の娘』を作る方法を尋ねに来た久保 竣公をそそのかして生体実験に利用。研究所で行われた中禅寺の“魍魎退治”によって一同に謎が開示されると、その場から陽子と(匣に入った)久保を連れて逃走しようとするが、施術の結果が自身の思惑とは異なっていたことに激昂した久保本人に咬み殺されて死亡する。

参照作品:『魍魎の匣』
[編集]