解説:

楠本 頼子 [くすもと よりこ]

柚木 加菜子と共に私立鷹羽女学院中等部に通う中学生で、加菜子の親友。
母・楠本 君枝に対する嫌悪から、加菜子を神聖視していた。
加菜子と二人相模湖へ向かう電車を待つ武蔵小金井駅のホームで加菜子の項ににきびがあるのを発見。それによって“加菜子”という偶像が壊れてしまい、衝動的に加菜子をホームから突き落としてしまうのだが、“加菜子転落のたった一人の目撃者”ということで、そのまま加菜子の搬送先である三鷹の病院まで木場 修太郎福本に付き添われて行くことになる。
事件後半月も経ってから、(関口 巽の『目眩』を読んだことがきっかけで)「黒服の男が加菜子を突き落とした」という考えに至り、福本に付き添われて美馬坂近代医学研究所へ行き、木場と柚木 陽子にその話をする。話をした後で加菜子を見舞いに行ったところ、そこで加菜子誘拐の現場を目撃。
研究所に行くまでは転院した加菜子の容態や生死をしきりに心配していたが、それは加菜子に対する心配ではなく自分の保身を考えてのものであり、加菜子が誘拐によって(生死不明のまま)消え去ったことを内心喜んだ。
加菜子が消え去った後は第二の加菜子を演じ、あたかも加菜子のように振る舞っていたが同級生の間では評判が悪かった。
“匣の中の娘”作りに憑かれた久保 竣公のターゲットとなり、『武蔵野連続バラバラ殺人事件』4人目の犠牲者となってしまう。バラバラにされる直前、久保に美馬坂 幸四郎の居場所を教えていた。

参照作品:『魍魎の匣』
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