解説:
寺田 サト [てらだ さと]
寺田 兵衛の妻で、久保 竣公の母親。
寺田 正江が死んだ翌年に、女手の欲しかった兵衛と結婚。
神経の病(おそらく鬱病)を持っており、寺田 忠の死後は息子(竣公)の面倒を看ないでずっと座敷に籠り続ける生活が続いたが、竣公が五歳の頃(どういうわけか)病が回復し始め竣公の世話もし始めた。ところが竣公とは意思の疎通が一切できなくなっており、その不満を兵衛にぶつけるようになる。
兵衛の出征後に再び発病、竣公が鉄の箱で指を欠損する事故が起きてからは狂乱状態になり、家中の箱を壊して竣公と共に逃げ、九州の山中で首吊り自殺した。