お友達がmixiのニュースで取り上げていた話題なんですが、
・デジタル放送番組、コピー9回までOK…総務省が要請へ
について。
私が思うに・・・これって
2011年アナログ停波に向け、当初の予想に反して『民間における地デジ化の普及』が思ったように進まない現状を打開する為の、総務省の“苦肉の策?”かと。
確かに、コピーワンス制限は放送番組を気軽に(私的範囲内で)楽しむには大きな『壁』となるわけで、
「9回までコピーできるなら、うちも地デジ化しようかな?」
と、地デジ化を前向きに検討する人が増えるかもしれない。
ただ、私は“地デジ”には賛成だが
様々な問題を抱えたまま『2011年アナログ停波(完全地デジ化)』に踏み切った総務省の方針には以前より大きな疑問を持っている。
この疑問が解決されない限り、私は『2011年完全地デジ化』には大反対である。
以下、
TVなどの『地デジ推進PR』CM等によって、よくわからないまま『地デジ』に踊らされている方々には是非とも聞いていただきたい。
まず、完全地デジ化(アナログ停波)によってもたらされる良い点は何か。
それは、現行使用されているアナログ放送用の電波帯域を社会的に他の情報網(携帯電話やその他)に有効活用することができる・・・それだけである。
総務省もこれを理由に地デジ完全移行しようとしているのだ。
(先に断っておくと、“地デジ放送はアナログ放送よりも映像が美しい”という長所については、現行のハイビジョン放送のように『観たい人だけ観ればいい』・・・つまりアナログを停波する必要はないので、ここで問題にしている『アナログ停波によってもたらされる良い点』には含まれません)
逆に、アナログが停波されることによって起きる弊害何か。
それは、TV放送電波を受信できない“受信難民”の増加である。
確かに『地デジ放送の全国化』はなされた。
だからと言って「アンテナを立てれば日本全国どこでも地デジを受信できる」というわけではない。山間部やビルの谷間など電波状況の悪い所ではこれまでのアナログ放送と同様、受信に問題が生じることに変わりはない。さらに、アナログならば多少電波状況が悪くてもかろうじて(砂の嵐やノイズが乗ったりするものの)視聴することが可能な場合もあるが、デジタルは『ちゃんと映る』か『全く映らない』のどちらかしかなく、電波が弱ければ“かろうじて観る”ことすらできなくなるのだ。
・・・と、ここまでなら
一長一短でどちらが良いとも言い難いかもしれない。
では、『地デジ』が抱える問題点について列挙してみよう。
【コピーワンスの問題】
デジタル放送は、付加されている『コピーワンス信号』によって簡単にコピーすることが不可能となっている。
これは著作権を侵害して私腹を肥やそうとする不逞の輩どもが横行する現代には必要不可欠な制限なのかもしれないが、そうでない(残りの大半を占める)善良な市民にとっては、私的範囲内での視聴を極まりなく不便にするものである。
【B-CASシステムの問題】
前述のコピーワンス制御を確実にする為、現在のデジタル放送はすべて暗号化されているが、
(『無料放送の暗号化』なんて始めたの、世界中で日本以外に聞いたことない)
この暗号を解読するために、現行販売されている受信機器は全て『B-CASカード』というものを挿入しないと受信ができない仕様になっている。
この『B-CASカード』を発行している(株)B-CASという会社だが・・・政府や公共の機関・企業ではない“ただの1民間企業”であるということを知っているか?つまり、この会社が一存でB-CASカードの値段や使用料を決めることは可能で、そうなると受信機器のメーカー、視聴者も全てこの会社の『言い値』で支配される恐れがあるのだ。
【高額なデジタル受信機器】
地デジを視聴するには、地デジに対応したチューナー・テレビ・レコーダー等が必要なのは言うまでもないが、現行使用しているアナログ機器を全てデジタルに対応させるには、あまりにコストがかかりすぎるのだ。
1つ1つのデジタル受信装置の価格は、まだまだ高額である。
世の中には裕福な人々もいるが、格差社会といわれるこのご時世だ。就職難民と言われる若者や年金暮らしの老人にとっては“無料放送を視聴するために高額な出費”を強いられるわけで、チューナー1つの市場価格が¥10000をきらないような現状では、地デジ化が“非現実的”な家庭も少なくないのである。
また、テレビにしてもそうだ。現在販売されている『地デジチューナーを搭載したTV』の9割以上が、ブラウン管より高額な『液晶テレビ』であり、なぜか比較的高額な『国産メーカー』(前述のB-CAS会社が裏操作しているのでは?と疑いたくもなる)である。
【問題を明らかにしないという問題】
これらの問題を抱えながら、これらの問題はメディアにおいてはあまり大きく取り上げられない。
総務省にしても、TV局会社にしても、販売機器メーカーにしても、「2011年にアナログ放送はなくなりますから、地デジ対応の機器に移行してくださ〜い♪」なんてタレント使ってPRはしているが、私が挙げたような問題点に触れることは絶対にない。
・・・あたりまえだ。
そんなことに触れようものなら庶民は色々と不満を覚え、一向に『2011年に地デジ放送完全移行化』が進まなくなるからである。
政府の決定だからTV局はやらざるを得ない → TV局がそうするなら機器メーカーもやらざるを得ない
つまり、奴らは『臭いモノに蓋をした』地デジPR活動しかできないのだ。
私が思うに、これら列挙した問題点を解決するには
1)コピーワンスの制限をやめるか、回数の制限を緩和する
2)無料放送の暗号化を廃止する
3)アナログ→デジタルへの移行にかかるコストの何割かを政府が負担する
がてっとり早いと思うのだが。
特に3)に関しては、政府が勝手に決めて庶民に強いている計画なのだから是非お願いしたい。
その為に税金が上がってしまうと意味がないので、税金を上げることなく・・・というのが前提で。
さぁ、これを読んだアナタ!
現在の『完全地デジ化(アナログ停波)』計画について、どう思われますか?