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2006-06-24
次の4年間に望むこと
クロアチア戦、ブラジル戦を見て、私が思う事・・・。
過大評価でも過小評価でもなく、これが現日本サッカーの真の実力だと思う。ジーコの采配は可もなく不可もなく言ってみれば『ありふれた定石どおり』の采配であり、逆に言えば『監督』ではなく純粋に『選手』の力量を反映した試合結果と言えるだろう。こうなってみると、改めて初戦のオーストラリア戦で負けてしまったことが悔やまれて仕方ない。
オーストラリア戦での敗因は『選手の実力』ではなく『監督』だ。私は“あの”選手交代がジーコがこの4年間で犯した『最大のミス』だと思う。
そんな日本のサッカーが世界と渡り合えるにはどうすればいいのか?
確かに経験を重ね技術は向上したかも知れないが、こちらが向上しただけ世界のレベルも同じように向上しているのだ。サッカーの歴史の浅さから言って、ブラジルやイタリアの技術レベルに追いつこうとするのは途方も無い話だと私自身は思っている。また、身体能力については人種の問題だ。アジア人が西欧人や黒人と体格で張り合おうなどとは、生物学的に無理な話だろう。
そんな『技術的』にも『身体能力的』にも劣る日本人がそれらの勝るチーム相手に勝機を見いだすとすれば、彼らと同じ事をやっていてもしょうがない、彼らがやってないこと・やれないことで勝負するしかないんじゃないの?と私は思う。それが戦術なのか、采配なのか、もっと別のことなのか、私にそれは判らないけど・・・それを見つけて現実のモノとしてくれる『画期的』な選手や監督が、今の日本サッカーには必要なんじゃないだろうか?よく「自分たちのサッカー」という言葉が出るが、私はその言葉を聞く度にいつも「それって、どういうサッカーなの?」と尋ねたくなるんだよね。
次の4年は是非とも、「これが日本のサッカーだ!」と言えるサッカーを明確なビジョンを持って作り上げていって欲しいと思う。
あと、水面下では次期監督の選考が進んでいるらしいけど・・・
次の監督に私が望むことは、若い世代を育ててくれる監督だ。
トルシエとジーコのやり方は、『枠にはめる』『自由にさせる』と方向性が異なるために、何かにつけて比較されることが多いわけだが、私自身は率直に言ってどちらがいいのかは判らない。
ただ、私が監督を評価する際に「トルシエはいい監督だった」と今でも思う理由は、そこにある。
フランス大会と日韓大会とドイツ大会、それぞれの代表選手の顔ぶれを見て、感じる事はないだろうか?
フランス大会で主力だった選手は、ほとんど日韓大会には居なかったこと。ゴンも秋田も名良橋も井原も城も、日韓大会には居なかった。
それに比べてどうだろう。日韓大会とドイツ大会では、かなり顔ぶれがダブっている。
トルシエはA代表だけでなく若い世代の代表監督も同時に務め、育ててきた。
サッカーの技術うんぬんだけでなく、決していいとは言えない遠征先の過酷な環境でも選手を甘やかすことはせず普段から厳格な規則をしくなど、彼は選手の『精神的』な強さも培ってきた。
ワールドユースで準優勝をした時は「このチームって、A代表より強いんじゃないの?」と錯覚を覚えるほどだったが、実際に4年後の日韓大会で活躍した多くの選手は、彼らの世代だった。
トルシエが就任して暫く後、A代表の成績不振が各所で叩かれたこともあったが、これは旧世代から若い世代への移行中のことなのだから、最終的に日韓大会で勝てるチームを目標にしていれば決して『叩かれるべき』内容ではなかったと私は思っていたし、多くのサポーターもそう思っていたからトルシエを支持していたのだと思う。
やり方はどうであれ、トルシエは明確なプランを持って4年という準備期間に準備をしてきたと言えよう。
一方、ジーコは監督契約をする際「A代表以外のチームを掛け持ちするのは、無理だ!」と断った。
4年と言えば、サッカー選手にとって世代交代するのに十分な年数だ。にも関わらず、その4年後の本番に『台頭していてもおかしくないはずの世代』の育成には、無頓着だったのだ。
選手を枠にはめようとしない代わりに、自ら選手を育てることもしてこなかったのだ。
今にして思えば、ジーコのこの4年間は一体どういうプランを持って準備してきたのだろう?と、曖昧なことばかりだ。
新旧の世代交代が必ずしも良い事とは言えないだろうけど、日韓大会とドイツ大会において目覚ましい世代交代が行われなかったのは『4年の間に下が育たなかった』ということに他ならないし、その原因は確実にジーコや協会にも責任があると思う。
少なくとも、トルシエ・ジャパンを経験していない選手の『同点に追いつかれたり、逆に勝ち越されてしまった時に呆然としてしまう様子』を見る限り、ジーコのやり方では『強い精神力』を培うことはできなかったのではないか。
型にはめてしまうことは良い事でないかもしれないが、自由にさせることばかりが良いとは言えないことに、早く協会も気付いてほしいと思う。
日韓大会が終わった時「あぁ、また4年間長いなぁ・・・」と思ったけど、フタを開けてみればあっという間の4年間だった。
たぶん、次の4年間もあっという間だろう。
でも、逆に言えば「4年もある」わけだ。今ここにあるもので何とかしろ!と言われている訳ではない。(それを言われたのは、ある意味、岡チャンだけだろう)
次の監督が誰になるのかは知らないが、ぜひともこれからの4年を有効に使って次の本番に備えてくれることを望みます。
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